花立　ゆかり　〈Yukari Hanadate〉

三重県松阪市出身で、関東の美術予備校を経て山形の美大を卒業。東北を転々とした後、岩手県に移住してきました。現在は日本画教室やワークショップ等で講師を務め、子育てしながら県内外で発表しています。和紙をつくる仕事をしていた祖父母の影響からか、あたたかみのある和紙と独特な質感をもつ岩絵具に惹かれ、気づけば今日まで描き続けていました。描く対象は様々ですが、東北の美しい季節の移ろいや、その時々に感じる情景を人や花に託して表現しています。どこか懐かしい子どもの日常や、陽炎に揺れる花の灯火は、私が想像する桃源郷のような世界を描いたものです。身近な景色と心象風景を重ね合わせた作品が、誰かの共感や記憶を呼び起こすきっかけとなってくれます。そうした絵との対話を大切にしたい、生きる力へつなげたいという思いが表現の根源であり、私の原点となっています。